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雨匣浸

 引き寄せたカーテンを身体に巻き付けて横目に彼を見ると、両手で顔を覆う姿がそこにあった。
「見ていない! 見ていないから!」
「ああ、もう。いっそ見たって言ってくれた方が楽になれるわよ」
「え、ええ!? じゃあ、その……」
「その?」
「み……っ」
「み?」
「……」
「見たの? 見ちゃったの?」
「だっ――カッディ!」
 男をからかうんじゃありません!と脱兎しようとした彼は、バスルームの濡れた床で滑って転んでいた。

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