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はやしのこみち

「……帰るって、さっきのところ?」
「いや、ちゃんと今暮らしてるところがあって……」
衣服のポケットに手を突っ込み、保志の顔は青くなった。
あるはずのものがない。……あぁ、そうだ。鍵も道具も全部、置いてきたカバンの中だ。
「どうかしたの?」
保志の様子に首を傾げる穂波。
「いや……」
とりあえず、どこにも帰れない現状は把握した。
しかし、女性に泊めてくださいというのも情けない。
「(“ここ”の知識だけ仕入れて野宿するか)」
「もしかして帰れないとかー?」
口を開けたまま固まってしまった。なんてタイミングだ。
ぎこちなく頷くと「オチが王道過ぎるでしょ!フラグかよ!」と、大爆笑されてしまった。
「いいっすよ。野宿するんで」
半ば不貞腐れだったが、「警察に職質されたら逃げ切れるの。鍵の貸出料ってことでいいよ」の一言に有難く居候させてもらうことにした。
鍵が無い今、逃げ切れる自信は全くない。

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