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水崎涼

 こうして、ひとりの画家の物語に幕が降りるときがやってきました。長らくお付き合いいただき感謝いたします。終を飾るのは、エゴン・シーレ。彼が獄中でえがいたとされる自画像の題です。
 
 非常にスキャンダラスな画風で有名な彼ですが、その生き様は、あらゆる奔放な芸術家たちのなかでも相当に突き抜けていたと言えるでしょう。常識や倫理は、彼の類まれなる才を縛るにはあまりにも取るに足らないものでした。
 
 しかし、世間の目・法と警察・世界情勢、あらゆるものが物理的に彼の活動を阻みます。さいごには病という抗いがたい脅威により若くしてこの世を去ることとなる彼ですが、もしも、もしもどこまでも自由に、芸術活動がおこなえていたのならば。彼の豊かな作品は、もっと遠くへゆけたのでは……と。
 
 それでも我々は、圧力と戦い続けた彼の生涯を愛さずにはいられないのです。

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