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渡矢シキ

実は伏線(?)を既に仕込んでます。探してみてね。
 
『和泉と吉野の話』
突然の来訪を、吉野先生は笑って許してくれた。
「そんなことがあったのか」
宗平が捕まってから、始めてアイツのことを誰かに話せた。
「アイツがやった事は許せません。でもそのせいで、これまでの良い行いも消えたような、俺の知ってる宗平が急にいなくなったような……むぐっ」
俺の口に、先生が三色団子を突っ込む。
「犯した罪も、積み重ねて来た良い行いも消えないよ。相殺できるようなものじゃないけど、きみは憶えててあげればいい」
「ふぁい」
「憶えてるだけにしなさいね。過去の自分と向き合えるのは、今の自分だけ。きみが背負うものじゃない」
そう言って、吉野先生は団子で膨れる俺の頬をつつく。
「日野原君だっけ。彼は?」
「彼はほら、俺の弟達がついてんで」
にーっと笑うと、先生が俺の頭に手を伸ばした――が、もちろん払いのけた。
 

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