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渡矢シキ

前回の続き
 
タマちゃんは手にしていた骨を置いて腕を組んだ。
「鼻根部と骨盤から見て、この方は女性。出産経験がある」
「申し訳ない。他の遺体の情報とまざってしまったようで……」
「中頭型で頭蓋縫合は複雑。狭く隆起した鼻骨、鋭い梨状孔。直顎で下顎骨は細く、頤は隆起してる」
タマちゃんがすらすらと紡ぐ呪文は頭に入ってこなかった。だけど警察庁の男の動揺は目の動きから伝わってきた。
「この特徴からして、彼女は黄色人種ではありません。混血でもない。詳しく調べれば育った場所もわかるでしょう」
つまり人種からして、関東出身の確率は低いという事。もう遺族が引き取りに来てるとまで言い、警察庁の男は遺骨の身元を知ってる様子だった。なら、遺骨が外国人女性だと知ってたはず。
警察庁の男が嘘をついてると確信する。だってタマちゃんは間違えない。この博士は、たった1本の脚の骨から身元を特定できる人だから。
 
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