ミルーシェ:「シオ、卵粥好きだよね。いつも卵粥、卵粥って言ってる」
シ オ:「うん。とろとろあんのやつね。お粥に乗っかってる濃いあんを、少しずつ崩しながら食べるのが好きだな。最初からぐるぐる搔き回すのは許せない」
ミルーシェ:「こだわるね」
シ オ:「卵粥は俺にとって母の味だからね。思い出の味を壊されたくないっていうか……」
ミルーシェ:「ふうん。つまりシオのお母さんは、あんを少しずつ崩しながら食べてたんだね。それでシオもそうなったと」
シ オ:「まぁ、そんなところかな」
ミルーシェ:「ちょっと意外だな。グルメなシオのことだから、てっきり、あんとお粥の混ざり合う微妙な味の濃淡を楽しみたいのかと思ってた」
シ オ:「あぁ、それもあるね」
ミルーシェ:「母の味を知ってるシオは幸せ者だよね。僕は、そこら辺の記憶が全然ないんだ」
シ オ:「……なんか抱きしめてあげたくなった」